自分を表すもの「セルフポートレイト」

毎月一橋大学の国立キャンパスの美術部室にて絵画教室を行っています。

 

今回のテーマは「自分を表すもの」〜

何かを使って自分を構成する要素を用いてビジュアルで表現してみよう。

(絵画、写真、イラスト、色彩、図形、スクラップ、マッピング。)

鏡を見て自分の顔を描く方法以外にも自画像を描くことは可能です。
何かを使って、自分を表す方法を考えよう。そしてそこで見えてきたものについて話し合おう。

ヒント 
自分の過去や未来、軌跡、自分の居場所、愛好するもの、日常的な行動、などさまざまな要素から自分を捉えてみよう。

(方法例) 
    自分を他人に100枚撮影してもらう。
    1週間分のレシートを並べてみる。
    自分の1日の行動パターンを図形にする。地図にする。
    自分の顔を触覚だけを頼りに描いてみる。
    自分の好きなものの画像をプリントしたものを用意してコラージュ作品を作るなど。

    なるべく独自の方法を考えてみよう。

 

ということで始めてみました。

 

まずはみんなでお財布の中にあるカードを並べてみます。クレジット、キャッシュカード、ポイントカード、診察券などのそれぞれの日常が表されます。そして学生たちは意外とテレホンカードが入っているという万全の備えに驚きです。。しかも結構使っているそう。

 

枚数を数えると8枚、36枚、50枚以上、など人それぞれ。

 

優先順位で並べてかえたり、レシートをみて1週間の行動を振り返ったり。

自分でも気づかなかった些細なことが見えてくるものです。

 

それぞれ自分の日常を探してみることに、

一人の学生は、自分の1週間の行動を書き起こし、それをイベント化して、スゴロクにしました。

中央線を中心とした彼女の日常がバラバラにされ、まるでパラレルワールドのような世界が生まれました。

ちなみにスゴロクの下にぬいぐるみが描かれていますが、彼女は普段数々のぬいぐるみを枕元に置いて一緒に寝るらしく、またそれは彼女のお母さんも同じようで、それが一般常識だと思っていたというのだから。。

 

他の学生は、自分の持っている洋服をすべて写真に撮って切り取りました。

それを色相環でならべてみると、緑色の洋服をあまり持っていないことに気づいたようです。

「服装で気分が大きく変わる」と言っていた彼女ですが、並べてみると自分が柄物から無地のものに好みが変化していることに気づいたようです。

 

また、ある学生は、自分の神の食べ物をリストアップ。炭水化物と卵を中心としたものに好みが集中していることに気づきました。大学に入ってから外食に目覚めた彼女にとってどこのお店のどのメニューが好きなど細かに記憶していることに周囲から驚きの声。。

それらを切り取って、理想の妄想の献立メニューを作成することに。

普段外食して好んで食べるものを自分ならどうやって作るか考え、小さな献立レシピブックを作りました。

 

 

他にも自画像を自分の化粧品で描く子もいたりと、

さまざまな自分を表すものたちがあっという間にできあがりました。

 

絵を描く方法以外でも作品を作ることが可能なことを知ってもらえればと思って企画した今回の内容でしたが、とても面白かったようで、みんなまた続きをやってみたいと言ってくれました。

 

今度はこどもたちとやってみようと思います。